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数学の学習単元の増加について

今の親世代の時と比べると、3単元の増加

学習単元の増加が与える影響

一体どれくらい増加したのか、増加が及ぼす受験勉強への影響

 今、中高生を育てているであろう親世代が学生だった頃と、今の高校生(2025年以降の大学受験生)の学習単元の数を比較すると、理系文系ともにで3単元増加しています。また、単元自体は同じであっても、単元の中身が増加しているものもあります。3単元は、学校の授業で言えば約半年弱の時間が費やされるであろう分量となります。
 約半年の授業が追加された場合に、受験勉強期間がどうなるのかを考えてみます。

理系の場合
 公立高校の普通科理系の学習内容を一通り終える時期は、以前からずっと高校3年生の10月か11月です。学習内容が終える時期に変化は無いですが、同じ期間内に3単元多く学習することになります。

文系の場合
 公立高校の普通科文系の学習内容を一通り終える時期は、以前は高校2年生終了時つまり高校3年生になる前でした。今後は、数学ⅠⅡ、数学ABは今までと同じく高校2年生終了時に終えますが、数学Cの授業が夏頃まで続くものと思われます。今までは高校3年生の数学は全て受験勉強を行なっていましたが、今後は受験勉強期間が明らかに減ることになります。

このように、理系文系ともに学習量が増加したことにより学生の負担はかなり増えることが分かりますし、特に文系の数学の負担の増加が顕著になっています。受験勉強に充てられる時間も減少するので、今後は日々の学習が今まで以上に重要になっていくはずです。今までであれば高校3年生になった時点では各単元の学習内容が上手く整理、統合出来ていなくても、それを時間をかけて整理、統合して受験に臨んでいたものが、その時間自体が減るということは整理できないまま受験を迎える可能性もあると思われます。
1年生の時から「日々の学習=受験勉強」という意識を持つことが重要になります。何事であっても、上手く整理出来ていないことは手間や手数が多くなりがちで、なかなか効率が上がらないのは皆さんも経験的に分かっているのではないでしょうか。もともと大学受験は先行逃げ切りが圧倒的に有利ですが、今後はその傾向が更に加速するのではないかと予想しています。

塾の役割

 学習単元の増加による受験準備期間の減少に伴い、今まで以上に効率を重視したいと考える人が多くなるのではないでしょうか。では、どうすれば効率が上がるのでしょうか。

●塾の役割の1つ目は、問題への取り組み方の指導。
日々の学習の重要性が高まるという理由から、数塾では成績の上がっている人となかなか成績の上がらない人の授業中の問題への取り組み方の違いをきちんと説明するようにしています。学習習慣とともに1問1問の取り組み方も大切です。1問1問の取り組み方次第で、忘れても書いたら正解への道筋が見えてくる人と忘れたら解けない人に分かれます。書いたら分かる人は、これは忘れても大丈夫、これは忘れたら駄目だな、という判断が出来るようになるので自動的に効率は上がっていきます。取り組み方にははっきりと悪いと言えるものがあります。取り組み方は全ての勉強時間に影響し、結果的に成績にもかなり大きな影響を与えます。

●塾の役割の2つ目は、学校内容をカバーしつつ、それを受験に使えるような形で伝えること
受験の準備期間が減ることを踏まえ、せっかく学習するなら受験まで使える形で学習したいものです。単元毎の学習は、これを基準として考えていくという忘れてはならない太い柱が数本あり、それに付随して枝葉が伸びていくイメージです。効率の良い人は、受験まで使える太い柱を忘れることは絶対になく、その上で問題演習を行なうので演習によって得た経験を活かすことが出来ます。オススメしないのは、基準となる太い柱を意識することなく問題を解いて、とにかく量で補うというやり方です。今後の受験準備期間が短くなることを考えると、質と量のバランスを取った方が良いと思います。そして塾の授業は質にこだわって、まずは問題文の意味(問われている内容)を正確に理解するところから始まり、学習内容を受験まで使える形に整理して太い柱を比較的短時間で吸収できる環境を用意し、その後の問題演習という経験を活かしやすい状況を作ることだと考えています。
 
 皆さんも、短期間に大量のことを行なった場合、脳の処理量を超えてしまい結局何をやっているのか分からなくなったという経験があると思います。量をこなすことは必要ですが、今後の学生達は量をこなすにしてもそれを今まで以上に短期間にやらなければならず、よほど上手く内容を整理出来る人以外は太い柱が何なのかもわからないまま勉強して、時間が経って忘れたら解けなくなっているという状況が頻発することになりそうです。

最後に

 大学受験は今も昔も先行逃げ切りが圧倒的に有利であることは変わりませんが、今後は今まで以上に先行逃げ切りが有利となりそうです。今までもかっこよく逆転する人はいましたし私は比較的多くの生徒達の逆転劇を見てきた方だと思いますが、そういう人が以前なら追いつけた学力差であっても、今後は追いつけないことが増えそうだと感じています。失敗や挫折を繰り返して逞しくなる部分はあると思いますが、取り組み方が悪い状態での失敗は先が見えない中でもがくような苦しい状態のように感じるので、失敗するにしても手応えを感じることが出来るような失敗にして欲しいと思います。

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